エピソード

  • 本当の意味での拡散力のある漫画とは? 思わず誰かに語りたくなる「ザワつき」はなぜ生まれるか #159
    2024/12/23

    思わず誰かに語りたくなる漫画とは、一体どのような漫画なのでしょうか。

    展開が気になる・キャラの魅力がある・考察のしがいがあるetc.

    いろいろな要素が考えられますが、実はもっと本能的な何かに訴えかけている要素なのではないでしょうか。 例えば「これはヤバいものを読んでしまった……」という時、発見の気持ちとともに、「このヤバいものが存在していることを、世の中に伝えなければ・・・!」という謎の使命感に駆られ、我々は拡散を続けているような気がします。 作品の持つある種の「狂気」とも言えますが、計算のない本物の狂気こそが人の心をザワつかせる一方で、継続的に・何年経っても作品として安心して楽しめるのは人工的な狂気のほうだったりもします。 SNSでいう「拡散されやすい漫画」とは違う、本当の意味で「拡散される漫画とは何か」について、今回は考えていきます!

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    30 分
  • 「こんなの楽しいとか思ってるの?」とか考えちゃダメ! 斜に構えてヒット作読んでも良いこと無し #158
    2024/12/20

    ヒット作やブームに対し「そんなのを楽しいと感じてていいの?」と斜に構え、楽しんでいる人を絶対に認めない姿勢になる方がいますが、そのマインドは創り手としてとても危険です。 むしろ何事も全力で熱狂した者勝ちだと捉え、たとえ一瞬くだらないと感じてしまうことがあったとしても、ちゃんと楽しめる精神性こそが重要になります。 もちろん、ものごとを俯瞰することが大切な場合もありますが、漫画を描く皆さんが俯瞰で捉えすぎてしまうようになると、何も楽しめなくなくなってしまいます。 俯瞰をやめることは、自分の心と向き合うことでもあり、案外キツい面もあるかもしれません。しかし良い作品をつくるためには、凝り固まってガチガチになるのではなく、常に心を震わせていくように意識して取り組んでいきましょう! ●番組内で紹介させていただいた新R25のインタビュー記事 ・「俯瞰するって、むしろ大人ではない」“エンタメ鑑賞タスク化してる問題”に佐渡島庸平が一石 https://r25.jp/articles/987160977894014978

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    45 分
  • 「素の面白さ」で勝負してる? 漫画の演出は、企画・構成の良さを引き立たせるものだけを選ぼう #157
    2024/12/18

    指定のページ数に上手くまとめられない要因の1つに「読者へのサービス精神」が強すぎるのではないか、という考え方があります。作品内であれも見せよう・これも見せようと演出を入れすぎてしまった結果、ページ数が膨らみすぎてしまうというわけです。 また、読者を楽しませようといろいろな要素を盛り込んだことで、かえって「作品として一番面白いポイント」がぼやけてしまうことも。何の演出も入っていない企画・構成の段階、いわば素の部分でそれがどこにあるかについて、作者はしっかりと把握して描きすすめることが重要になります。 もちろん素の部分のままに近い状態で作品を仕上げて読者に提供することは、逆に高い技術が必要になります。しかしサービスはあくまでもサービスであり、それがメインになるようでは作品としていけません。 素の部分の良さを一層際立たせるサービスなら採り入れ、そうでないものは採り入れない。それがページ数のダイエットに効く一番の方法です!

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    27 分
  • 正解はキャラの気持ちに「なりきる」こと! 感情や行動を描くために、誰でも習得できる技術がある #156
    2024/12/16

    漫画では読者が共感できるキャラづくりが求められますが、「こういうシーンなら、こういう行動やセリフになるはず」的なテンプレを意識しすぎ、薄い感情表現になってしまう場合がよくあります。また、共感を得ようといろいろ考えすぎた結果、逆に普通なら絶対そうはならないであろう描写になってしまうケースも。 だからこそ、漫画でキャラを描くときは、自分をそのキャラに憑依させたうえで「自分(=このキャラ)ならどう思うか」と考えるようにしましょう。 大切なのは、とにかく「なりきる」こと。今までこうやって生きてきたなら、こういうときはこんな行動をするはず、こんな感情になるのではないか、をしっかり想像することです。 そもそも他者が何を考えているかなんて、どれだけ人間に興味があったとしてもわかるものではありません。それゆえ、技術として感情を描くことを覚えてしまうのが一番です。 キャラになりきる技自体は、わりと誰でも簡単に身につけられるはずですので、この機会にぜひ皆さんも取り組んでみてください!

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    31 分
  • 王道を外れても読者から支持される主人公の型は? 成長も変化もしないキャラは「一貫性」が大切 #155
    2024/12/13

    「王道の型」が強過ぎ、それ以外のパターンが難しい傾向が特に顕著なのが、少女漫画の短編読み切りです。何らかの変化や大逆転を描き切るのは難しく、逆境やすれ違いといったトラブルを乗り越える姿を描くほうが、見せ場としては確実に盛り上がりがあります。 それ以外があるとすれば、評価されていなかった人が実は正しいことをやっている、そしてそれが評価されるようになる、という勝利の型でしょうか。主人公自身には何の成長や変化もなく、もともと魅力だった部分を周囲に認識・発見してもらうというパターンです。主人公が自分らしさを貫く姿は、作品内の登場人物だけでなく、読み手にもその魅力を伝え、感銘を与えるようになります。 また、その姿は特に最初から好感度が高いものである必要はありません。大切なのは、とにかく一貫していること。それを見ることで読者は「やっぱこいつ最高だな」「好き勝手やってる主人公だけど、これは認めざるを得ない」という気持ちを味わうことができますし、それを楽しみに作品を読むようになるわけです。 漫画とは、主人公の何らかの成長や変化を伝える物語、というように定義されることもありますが、それ以外にも今回紹介したような勝利の型があること、覚えておいて損はないはずです。

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    24 分
  • SNSで作品が広がりやすくなったからこそ、逆に大ヒットが生まれにくくなった構造の問題を考える #154
    2024/12/11

    エンタメを楽しもうとした場合、ネトフリやYouTube、各種アプリなど「そのコンテンツが置いてある場所」に、自ら能動的に観に行く必要がある時代となりました。SNSなどで話題にはなりやすくなった一方、それぞの場所を超えて横断的・普遍的に大ヒットするような作品は、むしろ生まれにくくなったようにも思われます。 「SNSでは濃いファンをつくろう!」と講座などでも言い続けてきましたが、それはあくまで「その場所」での濃いファンを満足させることを目的としたものであり、SNSの枠を超えたヒットとなると、まだまだ再現性をもって実践できるほどのノウハウが確立されているわけではなさそうです。 共感ツールのSNSでは、どうしても「あるある」が求められ、中長編のストーリーは不利になってしまいます。普通に毎週続きが楽しみにされているようなSNS連載は、正直そう多くはなさそうです。そんな中で、コンテンツをつくる・提供する側はどんな取り組みができるのか……。答えのでない課題について、今回も考えてみたいと思います。 そして「ためになる」お話を1つだけさせていただくと、クリエイターの皆さんは、SNSアカウント欄には「メールアドレス」を記載するようにしましょう。それだけで案件依頼の可能性がかなり高まります。たぶん、皆さんが思ってる何倍も……! その理由についても紹介しています。

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  • もはや「普通」の主人公じゃないと受け入れられない? 大きな夢より共感が大切な時代のキャラ設計 #153
    2024/12/09

    最近の主人公は、いろんな意味で「普通」に近づいてるかも……? そんな風に感じたことはないでしょうか。能力や設定などは凄くても、こういうこと考えるのわかる、と思えるような、自分に近い存在としての主人公たち。リアリティ志向の作品は昔からたくさんありましたが、最近は「普通」への解像度が高すぎるせいか、リアルそのものに近づき過ぎているような印象もあります。 背景にあるのは、最初から子どもではなく大人相手を前提とした少年誌の読者設定のせいかもしれませんし、最近の「ズレ」を過剰に恐れる風潮のせいかもしれません。「夢」を見るのも語るのも、世の中の空気感や現実に即したものでないと、受け付けられなくなっているのでしょう。 夢を追いかける系ではなく巻き込まれ系の主人公が増えたのも、時代がどこへ向かうのかわからないという不安感の影響が大きいはず。海賊王になる!より、一日の終わりに美味しいごはんを食べたい、の願いのほうが共感を得やすい世の中で、次代を担う主人公像とは果たして・・・? そんな最近の空気感を今回は延々と語り合ってみます!

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  • 誰でもすぐ試せる! 自分で描いてて自分で最高にたまらないと思ってしまうキャラクターの設計方法 #152
    2024/12/06

    自分で描いたキャラを自分で愛せることができたら、漫画制作の時間はとても素晴らしいものになります。ただ、オリジナルでそれほど魅力のあるキャラを生み出すのは、当然ながら簡単なことではありません。 そこで皆さんにおすすめしたいのが、既存作品の中で自分が一番愛してるキャラクターの「どこの部分に最も惹かれているか」を分解してみる方法です。 例えば、髪型を変えたら惹かれなくなるというのであれば「髪型」を重視していることになりますし、関係ないということであれば、髪型は特に自分の中では萌えポイントではないということに。 そうやって、何が互換可能で、何が譲れない部分なのかを、見た目・仕草・考え方など、あらゆる点で検証してみましょう。その結果見えてきた「譲れない部分」だけを残し、それ以外を全部変えてみたら・・・。それはもう自分オリジナルのキャラになるはずですし、元のキャラを超えた魅力の持ち主になっている可能性さえあるわけです。 あわせて、自分がこれまで好きだった既存キャラの遍歴から、「どこが共通していたか」を探ってみるのも、きっとヒントになるはずです。そこで出てきたいくつかの共通項をもとに、それらの要素を完璧に満たした自分オリジナルのキャラを作成してみましょう。 それができたら、次は舞台や設定、能力・・・と、そのキャラが活躍できる要素を整えていくことで、最終的には自分で描いて自分が一番愛せるキャラとなっていくはずです。 いろいろ組み替えてみて、ダメだったらまた再考するという作業はきっと楽しいと思いますので、キャラづくりにお悩み中の方はぜひ一度お試しくださいませ。

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