エピソード

  • 談志の小言|立川談慶
    2024/12/20
    「談志に最も怒られた弟子」とも言われる立川談慶さんは、師匠のそばにいて、始終小言を言われていたという。それら小言は、師の落語に対する考えや、人生観を垣間見るものであったという。このコンテンツは、そんな談慶さんに、師匠の小言を紹介していただきながら、談志という稀有な落語家の本質に迫る。6話分の小タイトルはこちら。

    1.「俺は小言でモノを言う」 
    2.「挨拶をメロディで言うな、馬鹿野郎」
    3.「申し訳ございませんじゃねえ!すみませんでいいんだ、馬鹿野郎!」 
    4.「そのへんで遊んでろ!」「消えろ!」
    5.「お前二つ目にはなりたくないんだろう!」
    6.「やっとここまできたか」

    著者プロフィール
    1965年、長野県上田市生まれ。駿台甲府高校から現役で慶應義塾大学経済学部に合格、落研に所属し、学生時代を横浜で過ごす。卒業後、株式会社ワコールでの3年間のサラリーマン生活を経て、1991年に立川談志18番目の弟子として入門する。前座名「立川ワコール」。2000年の二つ目昇進を機に「立川談慶」となり、2005年に真打ち昇進。著書多数。
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    57 分
  • 茂木健一郎|IKIGAIについて
    2024/12/13
    「生きがい」という言葉は「生きる」と「値打ち(甲斐)」からなる日本語で「生きる喜びのこと」を意味し、端的に「そこで生きる理由」と言える。この言葉に注目した脳科学者の茂木健一郎さんは、「I K I G A I」という書籍を英語で発売。日本人の精神性を表す言葉として、31カ国で話題になった。この言葉の根底には、「八百万の神」と「和」に象徴される日本独自の精神的態度があるという。小さな物事に神が宿るとして、自然や周囲の人々、そして小さな日用品にさえ敬意を払う態度のことだ。こうして身についた「社会全体との調和の中で個として生きる」ことが<生きがい>の本質と茂木さん言う。ここでは改めて「生きがい」の概念とともに5つの条件についても語っていただく。6話分の小タイトルはこちら。

    1.英語で出版したい
    2.なぜIKIGAIだったのか?
    3.IKIGAIを考えるうちに
    4.海外でのIKIGAI
    5.NAGOMIについて
    6.日本の読者に伝えたいこと

    著者プロフィール
    1962年10月20日、東京生まれ。ソニーコンピュータサイエンス研究所上級研究員。東京大学大学院特任教授(共創研究室、Collective Intelligence Research Laboratory )。東京大学大学院客員教授(広域科学専攻)。屋久島おおぞら高校校長。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻課程修了、理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、現職。脳活動からの意識の起源の究明に取り組む。2005年、『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞を受賞。2009年、『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。近著に『クオリアと人工意識』(講談社)。IKIGAIに関する英語の著作が、世界35カ国、29以上の言語で翻訳出版される。2022年4月には、二冊目の英語の著作The Way of Nagomi(「和みの道」)が出版された。IKIGAIのドイツ語版は、2024年、ドイツのノンフィクション部門のベストセラー1位を累計30週以上続ける社会現象となる。2025年7月、三冊目の英語の著作、Stoicismをテーマにした本がイギリスの出版社から刊行予定。
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    57 分
  • 横道誠|なぜ発達障害の人は生きにくいのか?
    2024/12/06
    これまでは精神障害として扱われてきた発達障害だが、その理解と認知が広まり、現在では、一つの特性と位置付けられるようになってきた。とはいえ、未だマイノリティであり、社会生活において様々な苦労を強いられている。スピーカーの横道誠さんは、文学研究者として大学に勤めているが、40歳の時に、自閉スペクトラム症とA D H D(注意欠乏多動症)と診断された。これらも発達障害である。そんな横道さんに、発達障害の人の特徴とともに、彼らがなぜ社会で生きにくいのかを語ってもらう。10人に一人と言われる発達障害だが、その傾向がある人を含めると多くの人が何かしらの生きにくさを感じていると思われる。本コンテンツはそれら、「生きにくさ」の正体を探るものとなれば面白い。6話分の小タイトルはこちら。

    1.発達障害とは何か
    2.ニューロダイバーシティ運動に迫る
    3.日常生活における困難さ
    4.社会生活における困難さ
    5.ムーミンの世界はなぜ発達障害の人にとって心地よいのか
    6.マイノリティの居場所をどう作るか

    著者プロフィール
    日本の文学者。専門は文学・当事者研究。京都府立大学文学部准教授。京都大学大学院人間・環境学研究科研究指導認定退学。文学博士(京都大学)。ドイツ文学の研究の傍ら、宗教2世(エホバの証人2世)、発達障害(自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症)などの当事者として、数多くの自助グループを運営している。2021年に処女作『みんな水の中』(医学書院)を発売以降、2024年9月までに22冊の書籍を刊行。
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    50 分
  • ロナルド・ドラブキン|『ラトランド、お前は誰だ?』の著者に聞く
    2024/11/29
    第二次世界大戦前のロサンゼルスでは、日米間の緊張が高まる中、双方による諜報合戦が繰り広げられていた。その主役は、イギリス人のラトランドであった。彼は元英国航空隊のパイロットであり、第一次大戦での活躍から国民的ヒーローであった。その名声を生かし、ビバリーヒルズの豪邸に住み、毎晩のようにセレブを招いたパーティをするなど社交界で華々しい生活をしていた。その一方で、彼は日本海軍に雇われたスパイでもあった。そんなラトランドは日本の真珠湾攻撃を確信するようになり、次第に米国のスパイへと変貌を遂げていく。ラトランドに翻弄される日米。果たして彼は何者でどんな野望を持っていたのか。隠された史実を描いた本書は、本年2月にアメリカで出版され、11月には日本での出版も決まっている。著者のドラブキン氏は、歴史家であると同時にシリアルアントレプレナーでありエンジェル投資家という異色のキャリア。その上、日本語も堪能で現在は東京に在住している。そんな日本を熟知したドラブキンさんに、本書を書いた動機、並びに日本人の特性についても語ってもらう。3話分の小タイトルはこちら。

    1.この本を書かれた背景
    2.この本の内容について
    3.日本と著者の関係について

    著者プロフィール
    歴史家であり、同時にシリアルアントレプレナー、そしてエンジェル投資家。 1965年生まれ。UCバークレー、デューク大学M B Aでコンピュータサイエンスを学ぶ。インテルでの経験を経てシリコンバレーで数社の起業に成功する。現在はエンジェル投資家として日米のスタートアップ企業を支援するほか、日本の大手企業のコンサルティング業務も務める。彼の祖父を生い立ちを調べる過程で、ラトランドの存在を知り、そこから綿密な調査を重ね、本書で歴史家として衝撃的なデビューを果たした。
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    56 分
  • 内田樹|幸福論
    2024/11/22
    哲学的主題は歴史的背景によって変わる。ヒルティ、アラン、ラッセルの三大「幸福論」が一世を風靡してから、1世紀近く。いつのまにか、幸福論を正面から語ることがなくなってしまった。牧歌的時代が過ぎ、第一次世界大戦後は、多くの危機論が著された。その後、核の恐怖のもとに、人類の破滅が小説や映画で描かれるようになった。本コンテンツでは、これをディストピアの時代と位置づけ、その背景を縦横無尽に紹介してきます。スピーカーは、内田樹氏。大切なのは、気候変動、人口減といった目の前の危機を直視し、想像力を暴走させること。そのなかから、現在の社会システムの延長線ではない未来の可能性が生まれるのではないか。いま、あちこちで新しい「幸福論」の萌芽が生まれているが、これまでになかった視点を提唱する。4話分の小タイトルはこちら。

    1.今なぜ幸福論なのか? その1
    2.今なぜ幸福論なのか? その2
    3.21世紀の幸福論とは何か? その1
    4.21世紀の幸福論とは何か? その2

    著者プロフィール
    1950(昭和25)年、東京生れ。神戸女学院大学名誉教授。武道家、多田塾甲南合気会師範。東京大学文学部仏文科卒業。東京都立大学大学院人文科学研究科博士課程中退。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。主著に『ためらいの倫理学』『レヴィナスと愛の現象学』『ぼくの住まい論』『日本の身体』『街場の戦争論』ほか多数。『私家版・ユダヤ文化論』で小林秀雄賞、『日本辺境論』で新書大賞受賞、著作活動全般に対して伊丹十三賞受賞。神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」主宰。
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    1 時間 10 分
  • 山口謠司|その日本語、だれが作ったの?
    2024/11/15
    幕末から明治にかけて、日本は怒涛の近代化を行った。日本の概念にはなかった外国語をどう説明するか。そのとき生まれた日本語が、じつは近代日本の礎を築くことになる。そして日本語による高等教育の道も開けた。愛、自由、経済・・・江戸までは、そんな言葉はなかったのだ。森鴎外、福沢諭吉など著名人だけではなく多くの天才たちが奮闘した。「日本語を作った男」の著作がある文献学者の山口謠司さんが、今普通に使われている日本語の驚きの秘話を語りつくす。6話分の小タイトルはこちら。

    1.試験
    2.自由
    3.情報
    4.愛
    5.哲学
    6.会社

    著者プロフィール
    1963(昭和38)年、長崎県佐世保市に生まれる。現在、平成国際大学新学部設置準備室学術顧問。大東文化大学名誉教授。中国山東大学客員教授。博士(中国学)。長崎県立佐世保北高等学校、大東文化大学文学部卒業後、同大学院、フランス国立高等研究院人文科学研究所大学院に学ぶ。ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員などを経て、現職。専門は、文献学、書誌学、日本語史など。また、ラジオパーソナリティ、イラストレーター、書家としても活動。『面白くて眠れなくなる日本語学』など著書多数。
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    1 時間 5 分
  • 津崎良典|デカルトは『方法序説』で何を言いたかったのか
    2024/11/08
    今回の「何を伝えたかったのか」シリーズでは、17世紀フランスの哲学者ルネ・デカルトの『方法序説』を解説します。カンブシュネル著『デカルトはそんなこと言ってない』の邦訳出版を機に、デカルトに対する再評価の機運が高まっています。本コンテンツでは従来の限定的で図式的な解釈を超えて、デカルトの思想の本質に迫ることを目指します。カンブシュネルの弟子であり、デカルト研究を続ける津崎良典氏を迎え、テキストに基づいた新しい解釈を通じて、「我思う、ゆえに我あり」だけでは語り尽くせないデカルト哲学の真髄へと皆さんをご案内します。6話分の小タイトルはこちら。

    1.『方法序説』第1部――デカルトの修業時代
    2.『方法序説』第2部――「方法」とは何か
    3.『方法序説』第3部――「格律」とは何か
    4.『方法序説』第4部――「我思う、ゆえに我あり」とは何か
    5.『方法序説』第5部――「人間」とは何か、さらに「動物」とは何か
    6.『方法序説』第6部――「理性」とは何のためにあるか、そして「古典」とは何か

    著者プロフィール
    1977年生まれ。哲学者、筑波大学人文社会系教授。専門は、西洋近世哲学史。国際基督教大学教養学部人文科学科卒、大阪大学大学院文学研究科文化形態論博士前期課程修了ののち、博士後期課程単位取得満期退学。渡仏後はドゥニ・カンブシュネルに師事し、2010年にパリ第一大学大学院哲学科博士課程修了、哲学博士。著書に、『デカルトの憂鬱』(扶桑社、2020年に新書化して『デカルト 魂の訓練』に改題)。翻訳書に、ロランス・ドヴィレール『デカルト』(白水社)、ドゥニ・カンブシュネル『デカルトはそんなこと言ってない』(晶文社)ほか。
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    1 時間 8 分
  • 高橋則夫|刑の重さは何で決まるのか
    2024/11/01
    「主文 被告人を懲役10年に処する」――みなさんはその根拠を考えてみたことはありますか?一体、刑の重さは何で決まるのでしょうか。今回は長年刑法学を研究してきた高橋則夫氏を迎え、量刑決定のプロセスが難解と評される刑罰システムの複雑さに焦点を当てます。社会的に注目される裁判の判決で常に議論となる刑の重さについて、刑法の世界での判断基準やポイントを整理し、解説します。刑罰とは何か、そしてどのように決定されるのか。刑罰の本質と適切な制裁のあり方を探る入門的なコンテンツとなっております。6話分の小タイトルはこちら。

    1.刑罰は何を目的としているのか
    2.犯罪の要件を考える-犯罪論の視点
    3.刑法が前提とする人間像とは何か-処遇論の視点
    4.量刑の判断基準とは何か-量刑論の視点
    5.被害者感情と被害者保護
    6.時代とともに変わりゆく刑法

    著者プロフィール
    1951年東京都生まれ。専攻は刑法。早稲田大学法学部卒業。同大学大学院博士課程修了。早稲田大学法学部教授を経て、現在、早稲田大学名誉教授。法学博士。著書に、『刑法総論』『刑法各論』『共犯体系と共犯理論』『刑法における損害回復の思想』『修復的司法の探求』『規範論と理論刑法学』(すべて成文堂)。
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    1 時間 1 分