• 【遠野物語】其の五六 河童の赤子
    2025/05/22

    生まれてすぐの赤子を外に持ち出し、路上に放置して、去り際に「いや、捨てるくらいなら売るか?」と思って引き返す……一連の動きに、一切の容赦も良心もありません。なんとも後味の悪い話。

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  • 【遠野物語】其の五五 河童
    2025/05/19

    遠野といえば河童。

    ただし伝承には、ゲゲゲの鬼太郎的なキャラクターよりも、もう少し醜悪で汚らしい、人間から劣後するような「なにか」を思わせる口ぶりのものが多いようです。

    これは、河童が生まれる家の話。嫁が魅入られているのか、家が呪われているのか、それとももっと別の原因があるのか。この話のみでは、ちょっと判別ができません。

    ただ、とても忌み嫌われていた様子だけは分かります。

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  • 【遠野物語】其の五四 閉伊川の淵
    2025/05/15

    主人公の「ある男」の愚かさもさることながら、最後の長者の行動にずぅんと沈むような恐怖の余韻が残る一遍です。

    何の説明もなく、悪意だけが察せられる記録。

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  • 【遠野物語】其の五三 郭公と時鳥
    2025/05/12

    カッコウの姉と、ホトトギスの妹の話。

    寂しい、悲しい話ではあるのですが、個人的には妹の思い込みの激しさととんでもない衝動性に「どうしてそうなった??」と戸惑う気持ちのほうが強いです。

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  • 【遠野物語】其の五二 馬追鳥
    2025/05/08

    自分の財産を持たない階級の者が主人の財産を見失い、鳥になるまで探し求めることになった顛末がなんとも哀れな一遍です。「里で鳴いたら飢饉の前兆」という話にも、どうしようもない哀愁があります。

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  • 【遠野物語】其の五一 オット鳥
    2025/05/05

    ここから、鳥にまつわる話が続きます。

    鳥にまつわる伝承は、どこかうら寂しい雰囲気のものが多いようです。

    もともと鳥の鳴き声に寂莫としたものを感じる風土であったのか、それとも佐々木喜善の好みか柳田国男の好みでこうなったのかは、本編だけでは分かりません。

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  • 【遠野物語】其の五十 カッコ花
    2025/05/01

    カッコ花、という名前は、閑古鳥、つまりカッコウの鳴く時期に咲くことに由来します。ラン科の多年草で、正確な和名はアツモリソウ。花弁のふくらみを平敦盛が鎧に背負った矢よけのホロに見立てた名前で、敦盛公、郭公(かっこう)の呼び名とも関連します。平敦盛は、一の谷の合戦においてわずか16歳で討ち死にした若武将で、際立った美貌の少年だったとか。

    アツモリソウは、遠野物語が書かれた時点でも「貴重な花」と語られていましたが、現在も深刻な乱獲の被害に遭っています。環境要因も重なり、野生での存続は危ぶまれているそうです。

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  • 【遠野物語】其の四八~四九 仙人峠
    2025/04/28

    旅人たちが道中で出会った怪異について書き記した堂について。

    山を越えて人や物が集まる地域交易の拠点として栄えた遠野郷で、旅人たちは馬引きで荷を運ぶ「駄賃付け」をしながら猿や山人、その他さまざまな怪異に出会い、その体験談を荷と共に運びました。

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