はじめての人類学
講談社現代新書
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ナレーター:
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宮負 潤
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著者:
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奥野 克巳
このコンテンツについて
「人間の生」とは一体何なのか。今から100年前、人類学者たちはその答えを知ろうとしてフィールドワークに飛び出した。マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドという4人の最重要人物から浮かび上がる、人類学者たちの足跡とは。これを読めば人類学の真髄が掴める、いままでなかった新しい入門書!
本タイトルには付属資料・PDFが用意されています。ご購入後、PCサイトのライブラリー、またはアプリ上の「目次」からご確認ください。
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人類学を知ったら人類学がわからなくなった
人類学の意味するところを、4名の先人たちの活動や思考を中心として知る本書は、ある意味ではその目的を達成している、とも言えるし、よりいっそう人類学というものがわからなくなる書であるとも言える。
記述も平易で、参考文献も豊富。先人たちのエピソードも盛りだくさんで面白いのは間違いないのだが。
人類学と聞いてまず疑問に思うのは、民俗学や民族学とどう違うのか、という点だった。あるいは進化生物学とも。
残念ながら本書で明確な答えは得られないが、本書のテーマから見れば当然だろう。
著者は先人たちへの批評を抑制しながら記述を進めているのでなおさらだ。
そんな中、西欧が“未開”の人々を知るために始まったとされる人類学が、年月を経て「別の場所に暮らす人々に混じって一緒に考える学問」へと変遷していく件はとても興味深い。
特に最後に紹介されたインゴルド氏の著作はぜひ読んでみたいと感じた(後に調べたら邦訳はあまり多くないようだが)
本書最終章では著者の思う「これからの人類学」について簡単に整理され、思いが述べられている。
これに関しては「うなずき半分」という感じだったが、これから出版される人類学の書に手を出してみてもいいかな、と思わせてくれる内容だった。
素人ではあるがそれに対する私見を言うなら、人類学は人類の歴史、進化、社会、思想、文化、政治、生態など全てのエッセンスを含んでいなければならないと思う。
それら全てが混じりあった結果として自分はここに生きているのだと日頃から感じているからだ。
自然豊かで到達しづらい場所に暮らす言葉が通じない方々の実態を知るだけが「人類学」ではないはずだ。
人類を研究したいなら研究対象はあなたの隣にたくさんいるじゃないか、というわけである。
機会があれば著者に聞いてみたいものだ。
ナレーションについてだが、こんなに聴きやすいナレーターは久しぶりだ。ハッキリと丁寧に読み上げてくれるので内容の理解も進む。
ただ、読み上げスピードと次の節もしくは段落に行くまでの「間」が個人的に合わなくて、1.2倍速で聴いてしまった。
問題が発生しました。数分後にもう一度お試しください。
ありがとうございました。
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