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目に関する落語は『犬の目』『目薬』『義眼』『按摩炬燵』『麻のれん』など、笑いの多いネタもあれば、『心眼』『大仏餅』のような切実な内容のモノもあります。上方落語の大作『景清』は、その中間と言えるかも知れません。

「趣向の二日間」桂文我 令和元年（2019年）九月十九日/二十日の夜、東京紀尾井小ホールで、「桂文我独演会」を開催しましたが、その日の落語会は、特別な趣向を凝らしていたのです。

東西の落語を演じ分けることが出来た名人・三代目三遊亭圓馬から、八代目桂文楽が教えを受け、見事な東京落語に仕上げました。

冬の夜、この落語を聞くと、うどんが食べたくなります。うどんが登場するネタが多いのは上方落語で、そばは東京落語というのも、東西の食文化を象徴していると言えましょう。このネタを聞いて、身体を温めて下さい。

「鶴の恩返し」のように、生き物が人間に恩返しをすることは、日本昔話に数多くあります。昔は、そのようなことがあったかも知れません。大切に飼っているペットも、恩返しをしてくれるかも。

東京落語では、「干物箱」という演題で、寄席や落語会では上演頻度の高いネタです。以前は、昭和の名人と言われた八代目桂文楽の名演が光っていました。

茶人千利休の裏話だけに、講談から落語へ移入したのでしょう。茶道を扱ったネタには、「茶の湯」「荒茶」等、爆笑編が多い。「利休の茶」は、納得しながら、楽しんでいただけると思います。

歌舞伎や文楽の名作「義経千本桜」を採り入れたパロディ落語で、かなり昔から人気演目の一つでした。滑稽味満載の内容に、恐ろしさがスパイスとして、ピリリと緊張を加えています。

洒落た内容の短編ですが、寄席や落語会で上演されることは皆無に等しいのです。医者を題材にした落語は『犬の目』『ちしゃ医者』『夏の医者』などが有名で、それらと比べても地味な内容だけに、時代の置き去りになったのかも知れません。

このネタは、昭和の名人だった六代目三遊亭圓生師の独壇場で、何とも言えない不気味さを醸し出していました。元来、両国回向院にある、猫塚の由来の話になっています。

「仮名手本忠臣蔵三段目」を題材にした芝居噺で、ハメモノ（※お囃子入り）も凝っていて、噺家と下座が声を掛け合う場面もあります。こんな質屋へ品物を預けた者は、気の毒ですが・・・

演題は大層ですが、コント仕立ての爆笑落語です。三代目三遊亭圓馬の速記が残っていますが、東京落語の名人・六代目三遊亭圓生が時折演じる程度でした。

巧妙な手段で、一大事を収めるという、落語的トリックを楽しんでいただきます。

ギャグが多く、わかり易い内容の芝居噺なので、歌舞伎や文楽に詳しくなく、邦楽の素養の無い者も演じたりしますが、表現の稚拙さが如実に出るネタと言えます。

源平合戦の先陣争いや、平等院鳳凰堂で有名な、宇治を舞台にした、綺麗な落語です。

昔から「浄瑠璃は芸の司」と言われていますが、大阪で浄瑠璃と言えば、義太夫節を指します。

落語の演題で、外国の国名が使用されているのは、稀です。オチは駄洒落ですが、テンポ良く、トントンと進めると、とても気持ちの良い終わりとなるだけに、駄洒落は馬鹿に出来ません。

東西の落語を通して、義太夫ネタの代表になっています。義太夫好きの困った旦那が主人公になり、その無茶ぶりが難儀でもあり、可愛くもあり。しかし、このような人は付き合いたくないですね。

世の中、全く予想のつかない展開が起こることも多々あります。しかし、悪いことばかりではなく、良い方へ転がる場合も多いとも言え、 「佐野山」という落語は、その好例を表していると言える。

年末になると寄席や落語会で頻繁に上演され、各々の工夫で構成・演出を変化させられるだけに、演者のセンスが光るネタと言えます。この落語の主人公のような人が近所に住んでいたら、難儀するのは間違いありません。