• M&Aブームの幕開けか?

  • 2024/11/15
  • 再生時間: 5 分
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M&Aブームの幕開けか?

  • サマリー

  • コーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツが 景気改善、緩やかなインフレ、今後の追加利下げに伴いM&Aが増加すると思われる理由について、弊社コーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツが解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。今回は、モルガン・スタンレーが企業活動の大幅かつ持続的な拡大を見込む理由について、弊社コーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツが解説します。このエピソードは11月15日 にロンドンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。企業の合併・買収、すなわちM&Aが、24年を皮切りに複数年にわたり大幅に増加すると我々は引き続き見ています。今週は、この弊社の見解を改めて取り上げたいと思います。今年はM&Aの件数が25%増加しており、3月時点の弊社の当初予想を幾分下回ってはいるものの、M&Aの大幅かつ持続的な増加をもたらす主たる原動力は揺るぎないと我々は考えています。その原動力は複数に及びます。現在、世界のM&A件数は過去の動向と比べて、あるいは株式市場全般の強さと比較して、非常に低い水準にあります。経済全般、これは多くの場合、M&A活動にとって重要な要素ですが、これは好調で、特に米国ではインフレ低下が続く中で利下げが始まっています。売り手側では、プライベートエクイティのポートフォリオの成熟、ベンチャーキャピタルのパイプラインの成長、株式バリュエーション中央値の上昇が取引の動機となります。また、買い手側では、プライベート市場の4兆ドルもの待機資金、金融以外の企業のバランスシートに眠るおおよそ約7兆5,000億ドルの現金、M&Aの資金調達を可能 にする開かれた資本市場がM&Aを促す動機となります。これらの高水準の原動力は、各地域のボトムアップ分析でも確認されています。弊社の株式リサーチでもM&Aを見込むより強力な根拠を認識しており、我々は世界60の株式チームにそれぞれの見解を質問しました。その結果、地理的な場所やセクターによって違いはありますが、これらの業界を最も深く見ている担当株式アナリストもM&Aが増加するとみる強力な根拠を認識しています。政策的な背景も重要です。M&Aは今年になって増えていますが、弊社が当初予想したほどには増えていないひとつの理由として、中央銀行の利下げ開始時期と米国選挙の結果を巡る不透明感が挙げられます。しかし、この2つの不透明感は現在、ある程度は解消しています。FRB、ECB、BOEはすでに利下げに踏み切っており、米国選挙で共和党が勝利した結果、アニマルスピリットがかき立てられる可能性があります。欧州もこのストーリーの重要な一角を担っており、EUの強化に向けた新たなアプローチがM&Aを後押しする可能性があります。投資家にとっては、企業活動の増加が持続するとの期待感が金融株を支えると思われます。我々の予想が外れる可能性としては、M&A活動は基本的に経済的な信頼感と市場の信頼感に左右されるため、経済が予想よりも弱かったり、株式市場が予想よりも軟調であった場合、M&A件数は予想よりも少なくなるでしょう。政策も重要です。米国の次期政権はM&Aに対してより支援的であると弊社は見ていますが、政策が変化して企業心理が悪化したりインフレ率が上昇したりすれば、弊社の見解は誤りとなる可能性があります。最後に、多極化した世界はM&Aを支援する方向に動くと弊社は考えています。なぜなら、世界的な競争力を持つ地元の一流企業を増やそうという力が働くためです。しかし、同じように世界的な不調和問題でM&Aが中断したり、より全体的な信頼感が損なわれる場合には、この予想が誤りとなるかもしれません。時が経てば分かるでしょう。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽...
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あらすじ・解説

コーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツが 景気改善、緩やかなインフレ、今後の追加利下げに伴いM&Aが増加すると思われる理由について、弊社コーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツが解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト 「市場の風を読む」(Thoughts on the Market)へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。今回は、モルガン・スタンレーが企業活動の大幅かつ持続的な拡大を見込む理由について、弊社コーポレート・クレジット・リサーチ責任者のアンドリュー・シーツが解説します。このエピソードは11月15日 にロンドンにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。企業の合併・買収、すなわちM&Aが、24年を皮切りに複数年にわたり大幅に増加すると我々は引き続き見ています。今週は、この弊社の見解を改めて取り上げたいと思います。今年はM&Aの件数が25%増加しており、3月時点の弊社の当初予想を幾分下回ってはいるものの、M&Aの大幅かつ持続的な増加をもたらす主たる原動力は揺るぎないと我々は考えています。その原動力は複数に及びます。現在、世界のM&A件数は過去の動向と比べて、あるいは株式市場全般の強さと比較して、非常に低い水準にあります。経済全般、これは多くの場合、M&A活動にとって重要な要素ですが、これは好調で、特に米国ではインフレ低下が続く中で利下げが始まっています。売り手側では、プライベートエクイティのポートフォリオの成熟、ベンチャーキャピタルのパイプラインの成長、株式バリュエーション中央値の上昇が取引の動機となります。また、買い手側では、プライベート市場の4兆ドルもの待機資金、金融以外の企業のバランスシートに眠るおおよそ約7兆5,000億ドルの現金、M&Aの資金調達を可能 にする開かれた資本市場がM&Aを促す動機となります。これらの高水準の原動力は、各地域のボトムアップ分析でも確認されています。弊社の株式リサーチでもM&Aを見込むより強力な根拠を認識しており、我々は世界60の株式チームにそれぞれの見解を質問しました。その結果、地理的な場所やセクターによって違いはありますが、これらの業界を最も深く見ている担当株式アナリストもM&Aが増加するとみる強力な根拠を認識しています。政策的な背景も重要です。M&Aは今年になって増えていますが、弊社が当初予想したほどには増えていないひとつの理由として、中央銀行の利下げ開始時期と米国選挙の結果を巡る不透明感が挙げられます。しかし、この2つの不透明感は現在、ある程度は解消しています。FRB、ECB、BOEはすでに利下げに踏み切っており、米国選挙で共和党が勝利した結果、アニマルスピリットがかき立てられる可能性があります。欧州もこのストーリーの重要な一角を担っており、EUの強化に向けた新たなアプローチがM&Aを後押しする可能性があります。投資家にとっては、企業活動の増加が持続するとの期待感が金融株を支えると思われます。我々の予想が外れる可能性としては、M&A活動は基本的に経済的な信頼感と市場の信頼感に左右されるため、経済が予想よりも弱かったり、株式市場が予想よりも軟調であった場合、M&A件数は予想よりも少なくなるでしょう。政策も重要です。米国の次期政権はM&Aに対してより支援的であると弊社は見ていますが、政策が変化して企業心理が悪化したりインフレ率が上昇したりすれば、弊社の見解は誤りとなる可能性があります。最後に、多極化した世界はM&Aを支援する方向に動くと弊社は考えています。なぜなら、世界的な競争力を持つ地元の一流企業を増やそうという力が働くためです。しかし、同じように世界的な不調和問題でM&Aが中断したり、より全体的な信頼感が損なわれる場合には、この予想が誤りとなるかもしれません。時が経てば分かるでしょう。最後までお聴きいただきありがとうございました。今回も「市場の風を読む」Thoughts on the Market 、お楽...

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