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サマリー
あらすじ・解説
ホリデーシーズンを前に、米国テーマ別 株式リサーチ・ストラテジスト、ミシェル・ウィーバーが、支出を増やすとみられる消費者層とその理由、そして恩恵を受ける可能性のある業界について解説します。このエピソードを英語で聴く。トランスクリプト「市場の風を読む」Thoughts on the Market へようこそ。このポッドキャストでは、最近の金融市場動向に関するモルガン・スタンレーの考察をお届けします。今回は、米国テーマ別株式リサーチ・ストラテジストのミシェル・ウィーバーが、今年のホリデーシーズンにおけるショッピングに関する、米国の消費者の意向についてお話します。このエピソードは11月25日 にニューヨークにて収録されたものです。英語でお聞きになりたい方は、概要欄に記載しているURLをクリックしてください。このエピソードは11月25日 にニューヨークにて収録されたものです。年初来の消費支出は、全般として堅調なトレンドを維持してきており、ホリデーシーズンにおける支出にとって明るい材料となっています。米国でおおよそ2,000人の消費者を対象とする、弊社が最近実施した独自の調査では、2022年、23年と比べて今年のホリデーシーズンの消費に関する見通しは、より明るいことが示されました。予想通りのことですが、従来から消費支出全体の主なドライバーであった、より高所得の家計が、今シーズンも支出を牽引するとみられます。総じて、今年のホリデーシーズンにかける予算は増加すると弊社はみています。調査によると、米国の消費者のうち37%が今年の予算を去年とほぼ同程度と考えていることが分かっています。また、35%は支出増を、22%は支出減を予定しています。従って、全体では13%前後のプラスになる計算です。ただし、手放しの盛り上がりとは言えず、消費者の予算配分に関する計画は選択的なものになる傾向が続くとみられます。割引やキャンペーンが、購買行動に影響を与えそうです。実際に、割引がない場合、消費者の44%が買い控える、あるいはより安価な商品を購入する可能性があるとし、25%は支出を大幅に減らすと回答しています。割引やキャンペーンがなくとも、支出の計画を変更しないのは、全体の25%に過ぎない、ということになります。また、同調査で、消費者が購入を予定している商品カテゴリーについての質問をし、支出増を予定している消費者と支出減を予定している消費者の割合の差を調べました。すると、支出意向の差が最も小さくなったのは、スポーツ用品、家具・台所用品、電子機器などの高価格帯のカテゴリーでした。一方、衣料品、おもちゃなどの低価格帯の商品はよりポジティブな結果となりました。続いて、消費者向けの業界ごとに、特徴をいくつか見てみましょう。航空業界では、米国運輸保安局の好調な統計結果から、ホリデーシーズンの堅調な飛行機での旅行が予想されます。これは、旅行と体験に対する力強い需要が継続していることと整合性があります。大規模小売店や家具店で取り扱われる商品に代表される耐久財では、今年の支出は鈍化していますが、環境は正常化しつつあり、今年のホリデーシーズンにとって、よりポジティブな条件が整う可能性があります。一方でeコマースは、足元では圧力にさらされています。裁量品が環境の軟化の影響を受ける一方で、食品や生活雑貨などの必需品が大幅な伸びを支えました。シーズンの日数が例年より短いことも、eコマースに影響する可能性があります。ブラック・フライデーとクリスマスの間に27日間しかなく、シーズンが最も短くなる並びとなっています。従って、平均出荷配送にかかる日数が比較的長いeコマース事業者への影響が考えられます。このホリデーシーズンの家電製品の売上高には、注意が必要だと弊社は考えています。シーズンを目前にして、消費者向けハードウェアに対する支出意向は、いまだ消極的にとどまっています。そして最後に、おもちゃ、レジャー製品、サービスについては、懸念していたよりも良好になる可能性があるとみて、慎重な楽観姿勢を維持します。総じて、今年のホリデーは多くの...