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サマリー
あらすじ・解説
音で楽しむ、ふるさとの風景…鹿児島県内に伝わるお祭りや民謡など懐かしい音を季節ごとに紹介します。
MBCラジオは1953年(昭和28年)に開局しました。MBC資料センターには、開局当時からの貴重なラジオの音源が多数保存されています。なかでも、昭和30年代~50年代の鹿児島県内各地のお祭りや民謡などの貴重な音源が大量に残されています。
市町村合併により地名が変わる中、過疎化・少子化で消滅の危機にあるお祭りや、唄い手継承の危機にある民謡なども多くあると思われます。鹿児島に古くから伝わる習俗を保存した当時のラジオの音源は、まさに文化遺産ともいえる貴重なものです。 これらを発掘してデジタルアーカイブ化するとともに、再び電波に乗せることにより、脈々と繋いできた鹿児島の文化の継承に努めてまいります。
当時を知る人々を郷愁に誘い、若い世代には古き良きふるさとの文化と出会う機会になることを願います。
昭和55年の音源から、加治木町の「お田植えうた」をお届けします。
加治木町木田と鹿児島神宮の関係は、木田が正八幡宮(鹿児島神宮の旧名)の社領であった中世にまでさかのぼります。現在でも木田地区は、初午祭の先陣を切る御神馬の飼育役を務めるとともに、かつて旧暦5月5日に行われていた鹿児島神宮の御田植祭の苗を育てています(現在は旧暦5月5日を過ぎた次の日曜日に開催)。
木田の御神饌田で播種祭を行って育てられた苗は、豊作と家内安全を祈願しながら、御斎田で木田の早乙女・早男が田植えを行います。そして11月の新嘗祭では「木田郷奉納米」として籾俵が鹿児島神宮拝殿に供えられます。