wisの夏目漱石 02「吾輩は猫である」総集編第2巻(全4巻)
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夏目 漱石
このコンテンツについて
五章では、苦沙弥宅に深夜忍び入った泥棒に、夫婦も女中も熟睡して気が付かず、身の回りのものをごっそり持って行かれてしまった。「吾輩」は一部始終を目撃するも、ろくに注意喚起もできず、役立たずと人間どもから愚物扱いされる。そこで、鼠の一匹も捕ろうと決心するが、逆襲にあってしまった…。
六章では、苦沙弥邸に出入りする常連の連中と夫婦を交えた様々な珍妙な会話が続く。迷亭の帽子、鋏に蕎麦談義。人を食った若き日の「蛇飯」体験と「失恋」談、寒月の「俳劇」と東風の「詩作」・・・豪傑連の放談は終日続く…。(C)2016 響林社
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(一)主人の英語教師の苦沙弥先生は書斎にこもってばかりだが、勤勉とはほど遠い。涎を垂らして居眠りばかりしている。見栄っ張りの知ったかぶり。ある時、友人の美学者の迷亭が語った「高名な画家アンドレア・デル・サルト」の言葉に、なるほど彼もそう言ったか、と相槌を打ち、さっそく自身も迷亭の言うように写生を試みるのだが、それは迷亭のまったくのでまかせだった。
(二)猫の大王のような「車屋の黒」は、吾輩が鼠も捕ったことがないことを馬鹿にする。吾輩は何でも食うので気にしないが、正月、主人の残した餅に食いついた時は驚いた。もちが歯に食い込んで噛み切れない。苦しみのあまり、立ち上がって前足で取ろうとした奇妙な「猫踊り」を見つかり大笑いされてしまった。傷心を癒すには、美貌猫の三毛子と話すに限る。新参者の吾輩にお師匠さんのことを説明する「天璋院様のご祐筆の妹の…」のやりとりは傑作場面のひとつ。その三毛子を、しばらくして訪ねると、どうも様子がおかしい。どうやら三毛子は死んだらしい。戒名まで付けてもらって女師匠らに惜しまれている。彼らは、薄汚い野良猫の吾輩のせいで病気になったのだと言っている。
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