『鼻』のカバーアート

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著者: 芥川 龍之介
ナレーター: 西村 健志
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このコンテンツについて

「鼻」(はな)は、1916年発表された、芥川龍之介の初期の短編小説(掌編小説)で、彼の出世作といえる作品です。
「人の幸福をねたみ、不幸を笑う」と言う人間の心理を捉えたこの作品は「夏目漱石」から絶賛されました。

禅智内供の鼻と云えば、池の尾で知らない者はない。長さは五六寸あって上唇の上から顋の下まで下っている。
形は元も先も同じように太い。云わば細長い腸詰めのような物が、ぶらりと顔のまん中からぶら下っているのである。
五十歳を越えた内供は、沙弥の昔から、内道場供奉の職に陞った今日まで、内心では始終この鼻を苦に病んで来た。
勿論表面では、今でもさほど気にならないような顔をしてすましている。
これは専念に当来の浄土を渇仰すべき僧侶の身で、鼻の心配をするのが悪いと思ったからばかりではない。
それよりむしろ、自分で鼻を気にしていると云う事を、人に知られるのが嫌だったからである。
内供は日常の談話の中に、鼻と云う語が出て来るのを何よりも惧れていた。
内供が鼻を持てあました理由は二つある。――一つは実際的に、鼻の長いのが不便だったからである。
第一飯を食う時にも独りでは食えない。独りで食えば、鼻の先が鋺の中の飯へとどいてしまう


芥川 龍之介
(1892年〈明治25年〉3月1日 -1927年〈昭和2年〉7月24日)
代々江戸城の茶室を管理し、将軍や大名に茶の接待をする「奥坊主」と呼ばれる職を務めた家柄に育ち、文芸や芸事への興味・関心を早くから持っていた芥川龍之介。
才気にあふれ、世話好きな性格は周りの人々を惹きつけ、たくさん悩みながらもよく笑い、よくしゃべる人だったそうです。
そんな芥川は、東京帝国大学に入学した翌年、高校の同級だった久米正雄らと共に第三次「新思潮」を創刊し、小説や翻訳を発表しました。
次いで第四次「新思潮」を創刊の際に掲載した『鼻』が夏目漱石に認められ、文壇に登ることとなりました。
その後新聞社に入社し、記者としてではなく専業作家として意欲的に執筆活動を続けました。
芥川は、漱石や森鴎外から文体や表現の影響を受けたり、キリシタンもの、江戸を舞台にしたものなど題材に応じて文体を変えたりと、意識的な小説の書き方をしていました。
また、鈴木三重吉により創刊された児童雑誌「赤い鳥」には、初となる童話作品『蜘蛛の糸』を発表、その後も同雑誌を中心に童話作品を相次いで発表し、幅広く作品を世に残しています。©2022 PanRolling
アジア 文芸小説

鼻に寄せられたリスナーの声

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ナレーション
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ストーリー
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鼻からこんな作品が生まれるとは

初めて聞きましたが、鼻ひとつからこのような創作ができるとは。
鼻をゆでて踏むところは、私は今何を聴いているんだろうと思いましたが、ファンタジーながら自尊心を保つために工夫を凝らすこの気持ちは共感でき、状況の描写もわかりやすく面白かったです。

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曖昧な記憶で

子どものころに一度だけ読んだ事があるよな・・・という曖昧な記憶でした。
もう一回読み直すにはめんどくさいしな、と思っていたので音で聞けてよかったです。

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子どもと一緒に聴きました

昔話を聴くような感覚で、子どもと一緒にちょっと笑ってしまったり、面白く聴くことができました。

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芥川が描く人間心理

今昔物語の中にあるお話ですが、芥川龍之介がさらに人間の少しいやらしい心理にスポットをあてて描いた作品。芥川の文章はやっぱりいいですね。耳で聴くとさらにそれが分かる気がします。芋粥や羅生門など古典を題材にした短編ものが、自分は特に好きです。

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子供におすすめ


初めて読んでから、かなり時間が経っていて記憶が曖昧だったので聞いてみました。
すんなり聞けて、分かりやすかったです。

子供が聞いても面白いと思いますし、意味の分からない言葉なども
調べるきっかけが生まれて良いのではないでしょうか。

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道徳の時間などで使われてもよさそう

身体的なコンプレックスや自尊心と言った言葉が頭に浮かぶ作品で、特に現代の方がより頭によぎりやすい内容ではないかと思う。
話の尺的にも、聴きやすい程のものだとおもう。

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タイトルは知っていたけれど

腸詰めのような長い鼻をもった僧の話。
お話はユーモアがあり、とても聴きやすかったです。
子どもが聴いても良いと思います。
わかりやすい朗読で、すばらしかった!

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よかった

この作品をあらためて、聞けてよかったです。また聞き返したいですね。

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鼻を落とした弟子

シュールなストーリー、笑った。太宰治はなんて素敵なんだ。鼻を落とした弟子のくだり。

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空想的であり現実的

ファンタジー要素のある内容でありつつもリアリティを感じる読み方だったので、楽しく聴けました。

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