風鈴
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ナレーター:
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遠藤
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著者:
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山本 周五郎
このコンテンツについて
山本周五郎は「文学には“純”も“不純”もなく、“大衆”も“少数”もない。ただ“よい小説”と“わるい小説”があるばかりだ」を信念とし、普遍妥当性をもつ人間像の造形を生涯の目的とした作家で、時代小説を中心に沢山の作品を残しています。 その作風は今なお古臭さを感じさせず、繊細に描かれた人の心の機微や人情に、思わず笑わされたり、胸を打たれたりする魅力に溢れています。
<あらすじ>
ある日のこと。弥生の元には二人の妹である小松と津留が訪れていた。すでに余所に嫁いだ二人は、弥生を温泉での保養に誘いに来たのだった。津留が先に帰った後、小松は変わり映えのしない生活を送っている姉に苦言を呈した。
ずっと家事に追われ通しで生き甲斐があるのかと小松に問われ、弥生は返答に詰まる。それは弥生の夫である三右衛門の考え一つであり、そのためにも暮らしぶりを変えて、弥生自身もお召し物を変えたりお化粧をしたりすれば、家の中も生き生きとなり、三右衛門にも出世の欲がわくのではと続けた。
早くに父を亡くした弥生はまだ幼かった妹たちを育てていかなければならなかった。貧しい中でも余所で恥をかかないようにと作法を身に付けさせ、結果二人の妹は良縁に恵まれた。しかし妹の言葉には姉の苦労に対しての感謝ではなく、実家の貧しさを恥じるような色さえある。ましてや「自分たちには娘時代というものがなかった」という言葉には傷つけられさえもしたのだった……。
<山本周五郎(やまもと・しゅうごろう)>
1903~67年。小説家。山梨の生まれ。本名・清水三十六(さとむ)。名は生まれ年からつけられ、筆名は東京で徒弟として住み込んだ質屋「山本周五郎商店」にちなんだ。20代前半に作家活動を始め、39歳の時『日本婦道記』が直木賞に推されたが受賞辞退。その後も多くの賞を固辞する。江戸の庶民を描いた人情ものから歴史長編まで作品は数多い。代表作には、「樅(もみ)ノ木は残った」「赤ひげ診療譚」「おさん」「青べか物語」「さぶ」などがある。1987年9月には、「山本周五郎賞」が新潮文芸振興会により設定された。©2019 PanRolling
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