森の神
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ナレーター:
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岩本 紗依
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著者:
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夢野 久作
このコンテンツについて
森の神様が砂原を旅する人々のために木や竹を生やして、真青に茂りました。その真中に清い泉を湧かして渇いた人々に飲ましてやりました。すると大勢の人がやって来て木の下へ家を立て並べて森のまわりに柵をして、中へ休みに入る人からお金を取りました。水を飲む人からはその上に又お金を取りました。
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リイは涙をポロポロこぼしながらお月様を見ておりますと、不意にうしろの方からシャガレた声で、「リイやリイや」と云う声がしました。ビックリしてふり向きますと、そこには顔色の青い、眼の玉の赤い、白髪のお婆さんが立っておりました。お婆さんはニコニコ笑いながら、外套の下から小さな黒い棒を出してリイに渡しました。そうしてリイの耳にシャガレた低い声でこういいました。
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夢野久作
日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。1889年(明治22年)1月4日-1936年(昭和11年)3月11日。他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。日本探偵小説三大
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ある朝、オシャベリ姫は両親の王様とお妃様におしゃべりを初めました。
「お父様お母様、昨夜は大変でしたのよ。あたしがひとりで寝ていますと、黒ん坊が寝床のところへ来まして、わたしに短刀をつきつけてきたのです」
「それから、二人の女中が機織室で糸を紡いでたから中の様子を見ますと、壁に一列ずつ沢山の蜘蛛がズラリと並んでいるのです」
王様はお驚きになりましたが、どちらも夢の話だと分かると、王様は大層腹をお立てになりました。
「この馬鹿姫め。お前みたようなよけいな事をオシャベリする奴はいない。そんなことをオシャベリしたら石の牢屋へ入れてしまうぞ」
「いいえ。これからが本当なのです。今までのは今度の本当におもしろいお話をするためにお話ししたのです」
そうしてオシャベリ姫は又お話を初めました。
「女中に、今お話しした二つの夢のお話しをしてきかせました。二人の云うことには、何でも短刀と蜘蛛の夢を見るといいお婿さんが来ると、みんなが云うのだそうです。けれども、夢を見たことが相手のお婿さんにわかるとダメになるのだそうです。ですから女中は私に、その
著者: 夢野 久作