人間レコード
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ナレーター:
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斉藤 範子
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著者:
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夢野 久作
このコンテンツについて
<内容紹介>
下関の桟橋へ着いた七千噸級の関釜連絡船、楽浪丸の一等船室から一人のみすぼらしい西洋人が出てきた。
背丈は日本人よりも低く、貧弱な老人で何らかの病気か骨と皮ばかりに痩せている。
そんな、西洋人はデッキまで見送ってきた連絡船のボーイ連に脱帽した。ボーイ連達は彼の姿を奇妙に感じた。
高いデッキから5、6人が遠ざかっていく西洋人の後ろ姿を見送った。西洋人はたった一人で税関の前あたりまで来ると不安を感じて、そこいらを見渡した。
その中に、三等船室の方から一人の背の高い朝鮮紳士が降りてきた。その姿を見ると安心したらしく、その後を追いかけ始めた。
朝鮮紳士はそんなことにも気づかずに下関駅の改札口を出た。そのまま人ごみの影に隠れると何気なく振り返って、西洋人がホームに歩いていくのを見るとすぐに公衆電報取扱所に走った。
そして、前から準備していた電報を打つ。
「レコード」シモノセキツク」フジニノル」
レコードとは人間レコードのこと。ロシアで発明され、人の脳髄に電気吹き込みで複雑な文句を記憶させるというものだった。
吹き込まれた本人は記憶している内容を一切知らない。そのため自白することもできない。
そして、この人間レコードを使ったある作戦がはじまる。
<夢野久作(ゆめの・きゅうさく)>
日本の小説家、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。
1889年(明治22年)1月4日 - 1936年(昭和11年)3月11日。
他の筆名に海若藍平、香倶土三鳥など。現在では、夢久、夢Qなどと呼ばれることもある。福岡県福岡市出身。日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。
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